2022年中盤あたりから、各メーカーさんの値上げのお知らせがチラホラ出てきています。
ついにはウェラさんのイルミナカラーまでも値上げするという情報があり、
美容室側はどういった対応するのか?皆様気にされていると思います。
なので、なんとなくこの値上げの状況をまとめてみました。
値上げの原因は?
まずはそもそもなぜメーカーさんが値上げをしているのか?
メーカーさん側も値段を上げると他のメーカーさんに変えられてしまうかもしれないというリスクを抱えているにも関わらず、なぜ値上げをしないといけなかったのか?
知っておいて損はないので、簡単にまとめます。
コロナの影響
大きな要因としてはやはりコロナの影響が挙げられます。
ただ、このコロナには2つの影響があって、
1つ目は、
「コロナが落ち着いたことによって一気に需要が拡大したため」
コロナによる自粛で全体的に抑えられていた消費が、
コロナが落ち着いたことで一気に回復し、
需要に対して供給が間に合わなくなったために、
モノの価値が上がったという点です。
2つ目は、
「コロナの自粛(ロックダウン)によって商品が作られなくなったため」
世界のほとんどの地域では、コロナは終息してコロナ前の生活を取り戻していますが、
日本をはじめアジアの地域ではまだまだコロナ真っ只中です。
特に日本企業の工場がたくさんある中国などではまだロックダウンされている地域もあり、
こちらも需要に対して供給が追いついていないためにモノの価値が上がったという点です。
美容メーカーさんのシャンプーなどの容器は中国産のモノが多いので、
中身は作れるけど容器が作れなくて欠品しているというケースはよくあります。
戦争の影響
2つ目の要因はロシアのウクライナ侵攻によるものです。
この戦争の影響にも2つの影響があります。
1つ目は
「ウクライナ産のひまわり油が生産されなくなったため」
大替品としてそれ以外の菜種油やパーム油に受注が集中しました。
その結果、これらの油も生産が追いつかず、供給を制限しないといけなくなったために
値段が高騰。
それに伴って油を多く使うスナック菓子やマヨネーズ、カップ麺なども値段が上がってますし、
シャンプーやヘアケア製品も「パーム油」を成分として使用しているケースも多いために値段を上げざるを得ない。
といった状況です。
2つ目は
「原油・天然ガスの主要輸出国のロシアからの輸入がしづらくなった」
コロナが落ち着いたことで、飛行機などがバンバン飛ぶようになって燃料をたくさん使うようになったのですが、
燃料を多く抱えている原油国のロシアが戦争によって輸出を制限せざるを得なくなったことで、
全体的な燃料や資源の価格が高騰しています。
飛行機を飛ばすのも、車で運ぶのも、船で運ぶのも、全てに燃料が必要になります。
燃料費が上がるということで、輸送コストが上がり、それが商品価格の上昇に繋がっています。
円安の影響
最後は円安です。
2022年1月は1ドル114円くらいだったはずですが、
2022年11月では一時150円を超えるまでに円安が進んでます。
ちなにみ、2021年の1月は1ドル105円くらいでした。
1ドル買うのに日本円で40円以上差があるということは、
ドルを持ってる国の人からすると日本で買い物すれば常に40%オフで買い物できるというような状況です。
海外の人からすると非常にいい状況ではありますが、
日本人がドルで買い物をするとなると常に40%値上がりしているという状況になります。
燃料や資源など、多くを輸出に頼っている日本からすると、輸入に対するコストが非常に上がってますので、
それが商品価格に反映されているという状況です。
値上げを発表した主なヘアケアメーカー
容器を作るのも、原料を仕入れるのも、それを運ぶのも、
全てのコストが上がっているために値上げはある程度致し方ないというのはなんとなくご理解いただけたかと思います。
その上で、2022年に商品の値上げを発表したメーカーさんを僕が知っている限りいくつか紹介します。
TOKIOインカラミトリートメント
全ての商品ではありませんが、TOKIOトリートメントに関連する商品の多くが多少値上がりしています。
リトルサイエンティスト
こちらも全体的に値上げを発表されています。
TOKIOトリートメント含めて、油や容器の影響だと考えられます。
AVEDA
こちらは美容室専売と言っていいかはわからないですが、
結構大胆な値上げをされています。
MTG Refa
こちらももはや家電量販店が主戦場の商品ではありますが、2022年の11月に値上げをすると発表されてます。
ウェラ(イルミナカラー)
こちらは来年値上げ予定ですが、イルミナカラーが値上げするみたいです。
美容室で一番影響あるのはここでしょうね。
これまでのメーカーさんは、業務用のメニューか店販商品でしたので、
お店に対する負担はそこまでなかったですが、カラー剤1本の値段が上がるというのは、
このカラー全盛期の時代には非常に大きな痛手だと思います。
ちなみにoggiottoも値上げするみたいです
まとめ
意外と値上げを発表されているメーカーさんは少なかったですね。
僕が知らないだけかもしれないですが。
これまでに値上げを発表しているメーカーさんは、
どこも独自のブランディングに成功されており、ある一定のファンがいる
という共通点があると思います。
iPhoneなどのapple製品もそうですが、
値段を上げても理解してくれるファンがいるというブランドはやはり根強いです。
ただ、どこのメーカーさんも確実に利益は圧迫されてる中で、
ウェラさんという大手メーカーが値上げを発表したとなると、
後に続くメーカーさんも増えるかもしれません。
コストが上がると利益を削られるのはディーラーや美容室。
先行きが不透明な中でも、確実に明らかなのは、
『これまで通りの経営ではもうやっていけない』
ということ。
そこに気付いて新しいことにチャレンジしている会社が今業界で話題になってると思います。
2023年、いよいよ本格的にアフターコロナを迎えた時、
コロナ期間中に何をしたかの答え合わせが明確にされるでしょう。