美容業界で働くサラリーマンのちょっとためになる情報

美容業界にも経営戦略が必要!!代表的な戦略『ランチェスター戦略』を解説します!

普通に美容業界で10年以上働いてきましたが、

これまでに経営戦略とかの話を聞く機会は全くなかったです。

もちろん美容室やメーカーさんによってはきちんと経営戦略を立てて、

それに沿った展開をしてる会社もあるのでしょうが、

こういった戦略があるから、それをうちの会社に置き換えて、こういう狙いでこういう風に現場に落とし込んで、

といった話を聞いたことがありません。

表立って話してないだけならいいですが、どちらかというとそういった戦略自体を知らずに独立している方も多いと思いますので、

美容室の開業、ディーラーさんの売上にも繋がるような戦略について解説していきます。

ランチェスター戦略

経営戦略として代表的なのが、『ランチェスター戦略』です。

この『ランチェスター戦略』というのは、

弱者が強者に勝つための戦略

です。

こういった戦略と聞くと、

「お店やってる人にしか関係ないんじゃないか?」

と思う方も多いかと思いますが、

ライバルに勝ちたい!という個人の方にも応用可能なので、

安心して読んでください!!

ランチェスターとは?

『ランチェスター』というのは、人の名前です。

どんな人なのかというと、元々はイギリスのエンジニアだったのですが、

そのランチェスターさんが第一次世界大戦の時に提唱した理論です。

第一次世界大戦で大いなる戦果をもたらした結果、

第二次世界大戦の時にはアメリカ軍でも採用され、多くの国で使われる戦略になりました。

その後、産業業界にも普及され、日本でも多くのコンサルタントが活用したり、

あのpanasonicの松下幸之助までもが採用していたと言われています。

松下幸之助までは目指さなくても、近くのライバルに少しでも差をつけるために具体的な戦略を学んでいきましょう!

強者と弱者の戦略

戦争においても、ビジネスにおいても、常にライバルが存在しており、

力が拮抗している場合もあれば、明らかな「強者」と「弱者」に分かれている場合もあります。

自分が「弱者」の立場の場合の代表的な戦い方は、『差別化』です。

まだシェアも取れていない、知名度もない状態で、「強者」がやっているようなことをしてしまうと、認知度も信頼も取れてる商品に軍配が上がりますし、ひどい場合は「この会社パクってるやん」思われて終わりです。

なので、「強者」がまだやっていない事で戦わないといけないです。

逆に「強者」の戦い方は、『真似』です。

知名度も信頼もある会社の場合は、「弱者」がやった事を真似することで、

差別化を無効化することができます。

個人のまだ知名度のないお店がオリジナルで作ったメニューを真似することで、

市場の認知としては「強者」が新しく作ったメニューだと思わせれることができるんですね。

松下幸之助もこの「強者」の戦略をとっていたらしく、小さい会社が作った新しい商品に、少しだけ新しい機能をつけて大量に販売していたらしいです。

名付けて『松下真似した戦略』と呼ばれてたとか。

なんか美容のメーカーでもよく見る光景ですね。

さて、皆さんは地域で『強者』でしょうか?『弱者』でしょうか?

『強者』でないのに、うまく行ってるお店の真似してませんか?

もちろん、真似することではじめはうまくいくかもしれないですが、

ゆくゆくは「強者」に食われて長続きしない場合が多いはずです。

※スキルアップのためにうまく行ってる人のやり方を真似るのはOKです

弱者がやるべき『5大戦法』

ここからは、「弱者」が「強者」に勝つためのより具体的な戦い方を5つ紹介します。

局地戦で戦え

まず一つ目は、『エリアやターゲットを絞る』ということ。

一見、リスクを分散するためにもいろんなメニューやったり、いろんな人に来てもらえるような準備をした方がいいように思えますが、

一度にさまざまなことをやろうとすると、結局全てが中途半端になってしまいます。

美容室でいうと、ハイトーンカラーや髪質改善に特化して、

とにかくメニューやターゲットを絞り込んで差別化する。

というのが局地戦で戦えということです。

ただ、そこまで絞り込まずにたくさんメニューを作りたいというのであれば、

1個ずつ、きちんとお客様に根付くまで知識や技術のインプット、提案のアウトプットをして、1個根付いたら次、またそれが根付いたら次、という形で増やしていきます。

とにかくはじめは数と領域を絞り込むのが大切です。

一騎打ち

これは、

一社としか契約していないお客様を狙え

ということです。

美容室に置き換えると、毎回毎回ホットペッパーでサロンをコロコロ変えるという人よりも、ずっと同じお店に通ってる人にターゲットを絞るということ。

ディーラーに置き換えた方がわかりやすいですが、

たくさんのディーラーと取引している美容室よりも、一社としか取引していない美容室を狙った方がいいということです。

確かに、たくさんのディーラーと取引している美容室の方が取引自体はしやすそうですが、常に複数のライバルと比べられることになるので、なかなかガッツリとした取引にはなりにくいです。

逆に、一社としか取引していない場合、あまり他と比較したことがないので、新しいことを提案すると「こんなことまでしてもらえるの!?」となって、一気にメインになれるということがよくあります。

接近戦

これはオンラインで戦うかオフラインで戦うか?ということですが、

オンラインになればなるほど規模の大きさや認知度の影響が大きくなっていきます。

オンラインに上がった瞬間に全国がライバルとなるので。

これはホットペッパーが一番わかりやすいですね。

ホットペッパーでの集客よりも、個人のsnsの方が単価も高くなりやすいし、リピーターにも繋がりやすいし、もっというとsnsよりも直接の紹介の方がもっとその傾向は高くなると思います。

なので、直接会って集客(販売)するというのが接近戦です。

一点突破主義

こちらの数字をご覧ください。

例えば、 100 対 60 で戦わないといけない状況の時、

20 20 20 20 20  合計100

12 12 12 12 12  合計60

こんな感じで力を分散すると全ての局面で負けてしまします。

ところが、

20 20 20 20 20  合計100

0  0  0  30 30  合計60

とすると、3箇所では負け確定ですが、2箇所ではボロ勝ちできます。

局地戦と似ていますが、

これは「カラー専門店」とか「カット専門店」とか、他のメニューを全くしていない美容室のイメージかと思います。

確実に勝てるところを見極めて、そこでは圧倒的に勝つというのが一点突破主義の考え方です。

奇襲攻撃

奇襲攻撃については、イメージとしては缶コーヒーのWONDAのとった戦略ですが、

『朝専用缶コーヒー』という打ち出しで、コーヒーの香りや味をアピールして、

缶コーヒーユーザー全体に向けて拡販するのではなく、

なんとなく眠気覚ましで朝コーヒー買う人だけにターゲットを絞って戦うという戦略です。

他のメーカーからすると、わざわざ販路を絞って朝だけのニーズを狙って攻めてくるとは思ってなかったので、見事にその戦略がハマり、

朝専用の缶コーヒーといえば、WANDA と多くの人に認知されてると思います。

 

このように、エリアやターゲットを絞って、なるべく対面で営業をかけていくというのが、規模の小さい会社や個人が勝つためには必要です。

注意すべき5原則

5大戦法についてはなんとなくイメージできたかと思いますが、

上記の戦法には注意点が5つあります。

それが、

①簡単に真似される差別化ではいけない
・・・これは、せっかく苦労して差別化メニューを作ったのに、誰でも真似できる差別化だと、すぐに大きい会社に真似されて差別化ではなくなってしまいます。

②顧客が望まない差別化でもいけない
・・・こだわりすぎてお客様に伝わらないような差別化ではなく、ニッチでもいいからお客様に喜ばれる差別化が必要。

③差別化はひとつじゃない
・・・一つの差別化で満足せずに、もう少し他に変えられるポイントがないのか考える。

④他業種の常識にヒントがある
・・・業界の枠にとらわれない。自分の常識は他人の非常識。

⑤小手先のテクニックに頼らない
・・・理念を持つ。

まとめ

ここまで戦略を考えて起業してる人が美容業界にいるでしょうか?

もしかしたらいるかもしれないですが、あまり聞いたことはありません。

ということは、企業前にここまで戦略を練っておけば、勝てる確率は大幅に上がると思います。

もちろん起業をしなくても、他のスタイリストよりも売上上げたい、他の営業よりもいい結果出したい、

という方でも応用可能だと思います。

・どういう想いを持って
・誰に
・どうやって勝つのか?

僕自身もまずはここから考えてみようと思います!

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