美容業界で働くサラリーマンのちょっとためになる情報

化粧品の『SHIRO』が売上目標「なし」でも売上を上げ続けている理由

『SHIRO』ってコスメ知ってますか??

僕はよく梅田に行きますが、

梅田のLUCUAイーレに入ってる店舗はいつも大行列で、大人気のブランドです。

あまりにいつも行列ができてるので、流石にオシャレなだけではなくてモノも良いんだろうな〜とは思ってましたが、

経営についてもなかなか斬新で興味深かったので、簡単にまとめてみます。

『SHIRO』の成り立ち

まずは『SHIRO』がどうやって生まれたかですが、

元々は「LAUREL」っていう北海道の農産加工物の製造・販売会社を、

今の会長である今井浩恵さんが引き継ぐ形で『SHIRO』がスタートしたみたいです。

引き継いだタイミングで、みやげもの製造業から生活雑貨事業へと方向転換。

自社工場があったので、はじめのうちは企業のOEM(オリジナル商品作成)業務をメインに、

徐々に化粧品などの製造も増えていきます。

さまざまな企業のOEMを作ってるうちに、

「化粧水ってほぼ水じゃん。こんなのでいいの!?」

という思いが湧いてきて、

「もっと有効な成分がちゃんと含まれた、自分自身が使いたいと思う商品を作りたい」

と思い自社ブランドを立ち上げ。

元々「LAUREL」があった北海道の砂川市を拠点に、

産地の良い成分を使用したオリジナル商品の開発を進めていく。

そして、引き継いでから14年目にはOEM事業から撤退し、

翌年の2015年についに『SHIRO』が誕生します。

そこからは皆さんの知る様々な商品が産まれていきますが、

意外とSHIRO自体は歴史の浅いブランドだったんですね。

『SHIRO』が売れてる理由

販売戦略というのはなく、とにかく品質の良いものを作る

めちゃくちゃシンプルです。

売上目標すらない!!らしいです。

ただ、多くの人は「それだけで売れるなら苦労しないよ!」

ちゃんとしたマーケティングをしたり、どうやって売るのか?

いつまでにいくら売らないといけないのか?

などなど、ちゃんと販売戦略をたてないといけないでしょ!

僕も社会人生活ではそのように育ってきました。

「良いものを作るのは当たり前。それをどう届けるのかが大事」

なんなら、「良くないものでも売ってくるのが実力のある営業だ!」

という風に。

美容師さんでも、

「技術が上手いのは当たり前。その上でどうやって集客・リピートに繋げるのか?」

という課題と戦ってると思います。

ただ、その「品質」や「戦略」の考え方に、企業ごとの差が現れていると思います。

品質に対する考え方

一般的にメーカーが商品を作るときには、

ターゲットを選定 ⇨ そのターゲットに売れやすい価格帯 ⇨ そのターゲットのニーズ ⇨

そのターゲットに響く効果(成分) ⇨ そのターゲットが喜ぶパッケージ ⇨ そのターゲットの興味を引く広告

という順番で商品の開発が行われます。

なので、ターゲットが20代の一般OLさんになった時点で4000円以上の化粧品を作ろうとはならなくて、

売れやすい価格帯の中で成分やパッケージ、広告費などを捻出しないといけないです。

これが『SHIRO』の場合は、

欲しいものを考える ⇨ 納得できるものを作る ⇨ それに合わせて価格を決める

という順番みたいです。

なので『SHIRO』の化粧品は一般の化粧品に比べると金額はかなり高めの設定のものが多いです。

なので、品質に関しての考え方は、

一般企業は、決まった予算の中でできる限り良い商品を作る

ですが、

SHIROは、良い商品を作った後に売り方を決める

という違いがあります。

柔軟な商品開発

先程の「欲しいものを考える」という部分がダイレクトに反映されているのが、

2020年の4月に発売した『アルコールハンドジェル』です。

市場はどこもアルコールの除菌剤が品薄状態で、

あったとしても市場に出回っているものはベタついたり匂いがキツかったり、

手荒れが起こったりと、使いたいと思えるものがなかったため、

自分自身が使いたいと思えるものとして急遽アルコールのハンドジェルを開発。

自社工場を持っているため、開発から発売までの煩わしい調整業務もなく、

わずか3週間で発売になったみたいです。

発売直後からわずか1ヶ月で22万個も売れるというヒット商品になり、

今でも売上を牽引する商品になってます。

大々的に広告を打たずに自社社員がインスタライブ

一般的なコスメは、ドラッグストア系の商品も、ハイブランド系の商品も

テレビCMやネット広告というのが当たり前だと思います。

とにかく認知してもらわないと購入に繋がらないので、

たくさんの人に知ってもらう「広さ」を意識した広告戦略が採られてると思います。

『SHIRO』の場合は、広告はあまり出さずに、

社員によるインスタライブを定期的に開催し、商品の使い方や肌荒れ対策などについて発信してるみたいです。

リアルに店頭に立つ社員さんがsns上でもお客様と交流を持つことでよりファン化が進み、

「深さ」と「信頼」が得られてるんだと思います。

売上は地域に還元

もう一つ、特徴的なのが、

売上を自社工場のある北海道の砂川市の地域に還元しているところ。

地域のイベントを開いたり、工場を新しく作って雇用を捻出したり、

元々ハワイの原材料を使用していたのを、沖縄に切り替え、沖縄のシルバー人材の雇用を産んだりと、

透明性を持って経営をしています。

商品の開発から生産、上がった売上の使い方まで一貫性のある経営方針にすることで

さらなる信頼を生み、高価値の提供に繋がっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

『SHIRO』だけでなく、最近ではアウトドアブランドの『snowpeak』や『patagonia』なども

自分達の使いたい商品を作って売るという戦略をとって話題になってますよね。

真摯に製品と向き合い、自分達が実際に使っていく中で改良点を出し合ってさらに良いものを作っていく。

非常にシンプルでありながらも真似できる企業は少ないと思います。

ただ、美容室においてはかなり参考にできる部分もあるんじゃないでしょうか?

提供する品質(技術)に対する考え方、ブランドの構築の仕方、お客様との関係性の作り方など、

取り入れれそうな部分はいくつかあると思います。

特にライブ配信などはライバルも少なく企業、個人関係なくできそうですし、

季節ごとの新しいメニューの紹介などとも相性良さそうです。

一度試してみてください!

最新情報をチェックしよう!