美容室は年々増加しているのに対し、美容学校の入学者数は5年連続で最低を更新中。
美容師のなり手がどんどん減少し、美容師側が働きたいお店を自由に選べる時代になっています。
よっぽどブランドが確立しているお店以外は、
給与や休日や勤務形態、福利厚生など条件のいいお店に人気が集まるため、
どこのお店も給与や働き方の見直しを徹底しないと行けなくなっています。
また、フリーランスサロンの台頭により、アシスタントの給与を上げて頑張って育てても、
デビューした途端にそういったサロンに取られてしまうということも頻繁に起こっており、
若手美容師の確保が課題となっています。
その若手の確保のために、いろんな雑誌で今の世代の子達の接し方や教育の仕方について特集が組まれています。
今回は髪書房から発売されている会員制の雑誌、
「NEXT LEADER」の2019年4月号の内容をまとめていきます。
新卒の傾向
今の若手は、「絶対評価」で、ゆとりでもさとりでもなく、
「尽くされて愛されて」育った世代。
人間関係の繋がりは狭くて深い。
また、「競争よりも協調」を大事にしている。
このような背景により、合理的かつ現実的にものごとを捉える傾向にあります。
目的が見えていないものごとには関心を示さず、
『自分がその目的や考えに共感できるかどうか』
を重要視するらしいです。
つまりは行動の先の目的が見えていないと、細かい気配りは一切できません(しません)。
なので、
・何のために雑誌を出すのか
・何のために掃除をするのか
・何のために飲み物を出すのか
・なぜ気配りが必要なのか
・その結果、その子がどうなれるのか
ということを丁寧に説明してあげないといけないということです。
以上を踏まえた上で、若手スタッフの定着のためにサロンが取り組むべきことを7つ挙げています。
『スタッフが辞めない美容室』の風土づくりのための7つのキーワード
①働く目的を描かせる
美容の仕事を通じてどうなりたいのか、夢を明文化することが大切。
そのために必要なビジョンや目標値を設定、共有し、
現状とのギャップを伝えることで成長意欲を促していく。
②「美容業界だから・・・」はNG
デジタルネイティブの若いスタッフは、SNSなどで他業種との比較をした上で美容業界に入ってきている。
「美容業界だからしょうがない、こうするべし」という業界ルールは通用しないし理解できない。
美容業界のルールを価値基準にするのは避けた方がいい。
③「お客様に喜んでもらう機会」をなるべく多く経験させる
なるべく早い段階から、お客様と関わるようなカリキュラム・仕組みをつくり、その教育をする。
喜んでもらう=成功体験
を重ねていくことでやりがいやモチベーションづくりに繋がる。
例えば、店販売上やスパ・トリートメントは先輩と同じ土俵に立てるチャンス。
お客様への感じのいい挨拶をマスターする。
名前や顔を覚えてもらうきっかけにもなり、お客様に名前で呼んでもらうことが喜びにも繋がる。
④定期的に同期が集まる場を作る
集合研修などは各々が自分の同期と比較できる機会。
定期的に一緒に学び合う時間を設けることで共感の時間をつくり、成長意欲を促す。
サロンに新卒や若手が1人しかいない場合は他サロンとの合同研修を設定すると良い。
⑤やり方よりも「あり方」を学ぶ機会をつくる
「理念教育」は必須。先輩や上司がその理念のもとに行動していなければ、
せっかく理念を学んだ新人も違和感を覚え、理念が形骸化しているように思ってしまう。
若手に限らず、現場レベルでしっかり理念を行き渡らせることが重要。
⑥「憧れ」「ステキ」なロールモデルをつくる
「働いている先輩がいつも辛そう」な状況は若いスタッフのモチベーションを下げてしまう。
どんなに忙しくても、
仕事もプライベートも楽しそう!
余裕がありそう!
という姿が見えることで、頑張った先の未来が描きやすくなる。
⑦柔軟な姿勢と考えを持つ
離職者の少ないサロンに共通するのは
「若いスタッフたちを理解しようとする姿勢」
があること。
まずは会社がスタッフにやってほしいことを理解させ、
共感してもらう → スタッフのやりたい事を引き出す → それをサポートする
この一連の流れによって、スタッフは会社の柔軟な姿勢に信頼感を覚える。
以上が辞めない風土づくりに必要な事みたいです。
これらはもちろん美容室だけではなく、ディーラー、メーカーそれぞれにも当てはまる事だと思います。
実際どれくらいできてるのか、自分には何ができるのかを再度考えないといけないですね。
良くも悪くも最近は「美容業界」という枠が外からも中からも壊されつつあり、
これまでの業界の常識は通用しなくなってきてます。
この変革期をチャンスと捉えるのか、面倒臭いと捉えるのか、
というところで3年後、5年後のサロンのあり方は大きく変わってきそうです。
ちなみに、僕の愛読書のファッション雑誌『OCEANS』でも、
理想の上司特集をされてました。
美容業界以外、一般の企業では、どういう上司が求められているのか?も参考にしてもらうと面白いと思います。
「僕らはこんな上司に憧れる!」新入社員の約半数が求めた理想像とは?
今の世代の子を理解するということは、
すなわち今の社会の流れを理解するということに繋がると思うので、
自分の成長のためにもしっかりと勉強していきたいですね!!