美容業界で働くサラリーマンのちょっとためになる情報

THROW(スロウ)の新ブランド「ONE」でサロンのオペレーションが変わりそう

2022年6月15日に人気のTHROW(スロウ)ブランドから新しく2ライン追加で発売になります。

1つは『SHEER』ラインと言って、今流行りのブリーチオンカラー専用のカラー剤で、

補色を混ぜなくてもクリアで薄めるだけで狙った色にできるというカラー剤。

2つ目が『ONE』というラインで、ワンオペレーションからとってるらしいのですが、

10分で完全発色できるという、いわゆるクイックカラーです。

「どこのサロンさんもアシスタントさんが少なくなってきたり、

フリーランスで働く方が増えたことで、最初から最後まで一人で仕上げないといけない中で、

少しでも施術時間を短縮するために」

という目的で生まれたカラー剤です。

それぞれの特徴や可能性をまとめていきます。

 

ミルボンさんのenogについての記事はこちら↓

関連記事

2022年6月7日にミルボンさんから新しいカラー剤が発売になります。 その名も 『enog(エノグ)』 「絵の具」のように自由に色を混ぜて唯一無二のカラーを作る。 というコンセプト通り、かなり原色系の彩度の高いカラー[…]

hoyuさんのIROJIKAKEについての記事はこちら↓

関連記事

ほんと2022年の春は新カラー剤が豊作ですね。 いろんなメーカーさんから次々に新しいカラー剤が発売されていきます。 個人的に一番注目しているのが今回の『IROJIKAKE(イロジカケ)』というカラー剤です。 「カラーに強い[…]

『SHEER』ラインの特徴

色味と明度

まずSHEERラインに関してですが、

色味は

・ショコラベージュ
・シフォングレー
・アネモネブルー
・ピンクラベンダー

の4色のみでの展開です。

明度に関してはどれも1種類のみで

・全て7レベル相当の彩度

・全て3レベル相当のリフト力

らしいです。

「微アルカリタイプで、なおかつ補色の入ったアクセントカラー」

という位置付けなので、

確かにこれまでありそうでなかったカラー剤ではあると思います。

これまでは黄味や赤味を消すために微妙な量の補色を配合していたのが、

これを使用すればオシャレでシアーな色味がクリアMIXだけで作れるので、

より簡単にブリーチオンカラーができるようになります。

あとは色の好みの問題なので、SHEERラインに関してはこれくらいにしときます。

『ONE』の特徴

続いては『ONE』の特徴です。

今回のメインはこのクイックラインです。

このクイックカラーが売れるかどうかで美容室全体におけるオペレーションが変わってくると思いますので、

特徴をまとめながら可能性についてお伝えします。

①10分で完全発色できる新技術

まずは新しい技術面です。

10分で染まるクイックカラーという商品は、

これまでにもホーユーさんやナプラさん、アリミノさんなどいろんなメーカーさんからも発売されており、

特別目新しい商品ではないです。

ただ、これまでのクイックカラーはアルカリ濃度と染料濃度を上げることでしっかり染まったように感じるというものが多かったと思います。

今回のスロウの『ONE』は、

・クリームの浸透力を上げる
・染料の大きさ自体を大きくする
・ブルーベースの染料をメインで使用する

などの技術によって、10分で完全発色、さらに赤味もしっかり消せるカラー剤になってるとの事です。

②クイックカラーなのにファッションラインがある

先ほども書いたように、これまでのクイックカラーは色味を濃くすることで早くしっかり染めるという事を行っていたので、

繊細な色味を表現できず、基本的にはグレイカラーがメインで使用されてました。

白髪をカバーできればいいというリタッチ用のカラー剤としてはニーズはあったと思います。

『ONE』に関しては、スロウならではの透明感を残しながら、

上記の技術によって10分で発色させるため、グレイカラーだけではなくファッションカラーも4色展開されてます。

『ONE』の使い方

ファッションカラーの場合

メーカーさんの推奨通り、一人で全頭カラー塗布を行わないといけないときは、

10分で完全発色してしまうと流石に塗り始めと塗り終わりで発色の差が出てしまいます。

ただ、ウェット状態で塗布をすると完全発色を15分にすることができるらしいです。

なので、まずはプレシャンプーや処理剤などで髪のコンディションを整えて、

全頭が濡れた状態から塗布を行うことで、ダメージケアもしながらTOTALで時短カラーにすることができます。

グレイカラーの場合

グレイカラーの場合は説明するまでもないですが、

リタッチのみの場合は目立ちやすい顔まわりや分け目部分から塗布して、

塗り終わったら3〜5分放置して流し、

で完結できるので忙しい大人女性には非常に提案しやすいと思います。

単価は同じで回転を上げるのもいいですし、浮いた10分を使って簡単なスパなどを提案するのもいいと思います。

『ONE』の可能性

これまで当たり前すぎてカラーやパーマの放置タイムに特に疑問に思ってなかったですが、

『放置タイム』って要はただの待ち時間なので、待ち時間は無い方がいいに決まってます。

メーカーさんの開発の技術や、使用できる成分の効能などは確実に進化してます。

この『放置タイム』という概念がなくなれば、

今まで通りに塗って流すだけで、

塗布時間に関係なくムラなくリフトアップも発色もできるカラー剤の開発も活発になることでしょう。

美容室にとっては、待ち時間がなくなることでお客様の回転数を上げることもできますし、

お客様にとっても、美容室にかかる時間を短縮できるので、他の用事も入れやすくなったり、

美容室側だけの都合じゃなく、お客様の生活にももしかしたら影響を及ぼすかもしれません。

『ONE』の懸念点

放置タイムの恩恵

ただ、みなさんも思ってる通り、

ワゴン周りの片付け、他のお客様の対応、お昼ご飯など、

意外と美容師さんからすると『放置タイム』って必要な時間だったりもすると思います。

カラーで有名なCANAANの長崎さんはカラーの放置用の座席に移動してもらって必ず30分放置して、

その間にまた他のお客様を対応すると言われてました。

確かに30分あればカットかカラーのどちらかはできますよね。

なので、アシスタントさんに流しを任せれるようなお店であればそこまでニーズはないのかもしれません。

圧倒的に技術が必要

グレイのリタッチだけならまだいいですが、

ファッションカラーで10分〜15分で完全発色、

しかも放置時間が長くなれば沈みやすくなる、

となると、かなり塗布スピードが早くないといけないです。

全く同じカラーを使っても、塗布量や塗布の均一さで仕上がりは全然変わってくるので、

相当早くて正確な塗布テクニックを身につけないといけないです。

まとめ

サンプルの評判を聞いてる限り、

ONEの方はかなり評価高そうです。

本当に発色が早くて、そんなに沈んだ感じもしないとの事です。

前にこのブログでも書きましたが、

以前にリクルートさんが出してるデータで、

「サロンの理想の滞在時間」についてのアンケートがあったのですが、

お客様の理想のサロン滞在時間は78分らしいです。

関連記事

お客様が美容室に求めるコト サロン利用にかかる理想の時間『78分』 これはリクルートさんの「美容センサス」調べの数字です。 2020年における、女性全体の美容室の滞在時間は78分が理想らしいです。 ここ5年で一番短い時間でし[…]

普通のカットカラーを1時間ちょっとで仕上げるのはなかなか厳しいですし、

これにトリートメントとなるとほぼ無理ですよね。

ただ、このカラー剤を使えばお客様の理想の時間も叶えながら、

仕上がりにも妥協せずに技術の提供ができるようになりそうです。

これで成功するお店が増えてくると、どこのメーカーさんも後追いしてくるようになるので、

来年にはグレイカラーは10分で完全発色というのが当たり前になるかもしれません。

メーカーさんのホームページからもサンプル申請できるみたいですが、

時代に乗り遅れたくないというサロンさんはぜひ私の方にお問い合わせください。

最新情報をチェックしよう!