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ミルボンさんの新カラー剤『enog』について

2022年6月7日にミルボンさんから新しいカラー剤が発売になります。

その名も

『enog(エノグ)』

「絵の具」のように自由に色を混ぜて唯一無二のカラーを作る。

というコンセプト通り、かなり原色系の彩度の高いカラーラインナップになってます。

Standard Line が通常のアルカリカラー
・・・基本的に7レベルと9レベルのみのラインナップ

Texture Palette Line がクリア剤やメラニンの補色
・・・ホワイトやベージュはかなり便利そう

Gray Booster がStandard LineにMIXして使用するグレイカラー
・・・グレイ比率30%までは対応できる

Play Line がアクセントカラー
・・・5レベル相当のリフト力

Holicer Line が塩基性のカラー
・・・今の所の特徴はサイズが400gというビッグサイズ

 

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『enog』の特徴

開発協力サロンさんはLECOの内田総一郎さんです。

内田さんといえば、JHAのグランプリを受賞するなど「クリエイティブ」な作品作りに非常に定評のある方。

インスタなどを見てみても、ハイトーンで彩度ガッツリというヘアスタイルが非常に多いです。

そういったクリエイティブなデザインを表現するために作られたのが今回の『enog』です。

特徴①彩度の高さ

1つ目の特徴は「彩度の高さ」です。

正直まだサンプルもなくて見れてないので実際どこまで色が濃いのかは不明ですが、

これで色薄かったら商品価値あんまりないと思うので、彩度はかなり高そうです。

メーカーさんも、基本的にはクリアやブラウンをMIXしながら使用するという説明をされてたので、

単品使いだとそれこそ作品撮りなどの非現実的な色の表現になると思います。

特徴②MIXの自由度

これまでのアルカリカラーは、

彩度が高いカラーほど混ぜれば混ぜるほどニゴリやすいという印象がありました。

なので、ブリーチオンカラーでペールトーンを表現するときには

アルカリカラーに塩基性の染料や直接染料のカラー剤を足して色を作ってたと思います。

それが『enog』の場合だと混ぜてもニゴリにくいらしいです!

基本的には3色くらいを混ぜて自分が表現したい色を作っていくみたいなので、

暖色系はこのメーカー、寒色系はこのメーカー、みたいに

好みの色味によってメーカーを分けてたりするサロンさんにとっては、

「これだけあれば好きな色味を表現できる!」

ということになるかもしれないです。

オススメの使い方

①ブリーチオンカラーとして

一番オーソドックスな使い方としては、

白い画用紙に絵の具で絵を描く感覚で、

18レベルくらいまでキンキンにブリーチされてる髪の毛に対して、

enogをクリアやホワイトで薄めながらのせていくという使い方。

ダイレクトに表現したい色味が出てくるので、クリエイター心をくすぐる使い方ができると思います。

②補足用のカラー剤として

enogのカラーチャートを見てると、

シアン(水色)とか、ターコイズとか、イエローとか、オレンジとか、

他のメーカーではあまり見かけない変わった色味がいくつかあります。

こういった色味は補色使いには非常に便利そうだなーと勝手に思ってます。

補色として青を使うには濃すぎるときにシアンを使ったり、

モノトーンやグレーだと薄すぎそうなときにターコイズを使ったり、

もちろんenogで揃えるに越したことはないですが、

今使ってるカラー剤に対して、補色用として何本か揃えておくという使い方もできそうです。

③グレイカラーとして

ゴリゴリの若い世代向けのカラー剤かと思ったら、

1本『グレイブースター』という色味があって、これを配合することで白髪も染めれるみたいです。

これに関しては、

グレイブースターを何%配合すればどれくらい白髪が染まるのか?

というところがわからないのでまだなんとも言えませんが、

もし、30%くらい混ぜるだけでニゴリが少なく綺麗に白髪を染めれるのであれば、

白髪染めもグレイブースター1本あれば他のグレイカラーがいらなくなるかもしれません。

懸念点

通常のカラー(トーンアップ)としてはあまり使えなそう

enogを使用するようなサロンさんは、

基本的にはみなさんブリーチオンカラーとして使用すると思うのであまり問題はなさそうですが、

通常のカラーみたいに、11レベルくらいを表現するのはかなり難しそうです。

そもそも9レベルまでしかないので11レベルや13レベルにリフトアップしようと思うと

ライトナーを混ぜるのが前提になりますし、

補色も入っていないのでアディクシーみたいに単色で使用するとアンダーの影響を思いっきり受けて狙った色味が出しにくいと思います。

ダメージは結構ありそう

高彩度を表現するのについて回る問題が『ダメージ』です。

元々のメラニン(茶色)を削れば削るほど色味はクリアに見えるので、

一般的によく出てる高彩度のカラー剤はどれもダメージしやすいです。

これはミルボンさんのカラーとかではなく、あくまでイメージですが、

9レベルのカラーを作る際、

通常のカラー剤は

11レベルまで削って、そこに色を入れることで9レベルに見える

のに対して、

高彩度のカラー剤は

13レベルまで削って、そこに濃く色を入れることで9レベルに見える

というような違いがあります。

資料を見てもダメージケアに対する記載はないので、

おそらくはダメージよりもデザイン重視のカラーなんだと思います。

かなりの教育が必要

先程の懸念点と連動してますが、

ミルボンさんのカラー剤と言えば、アディクシーに限らず、

hoyuさんのプロマスターやルベルさんのマテリアとは違って、

『単色で使用してもそれなりの色味が出せて失敗しにくい』

というのがウリでもあったと思います。

要は、元々全ての色味に補色が入っているので、ベース(アンダー)の色をそこまで気にしなくても、

9Lvのアッシュを使えばそれなりに9Lvのアッシュが作れてたと思います。

それに慣れてる美容師さんからすると、

補色の割合やトーンダウンの時のブラウンの割合など

ちゃんと計算したことがないという人も多いと思うので、

そういったお店への教育はどうしていくのか?

うまくやれば今までミルボンさんが獲れていなかったシェアを獲れるようになると思いますが、

失敗するとオルディーブにも悪影響が出るかも。。

という商品だと思います。

全国の各支社でインストラクターの方が色出しのセミナーなどを行うみたいですが、

どこまで参加者が集まるのかも含めて懸念点だと思います。

まとめ

今回の商品から読み取れるのは、

確実に美容師さんにはプロの知識と技術が求められるようになってきている

という事。

誰が染めてもキレイに染まるという薬剤は、メーカーや一般のお客様にとってはいい事ですが、

美容室にとってはある意味致命傷です。

誰がやってもそれなりの色になるんだったらわざわざ『そのお店』に行く必要がないので、

近所の低価格のお店でいいや!という思考になりやすいです。

なので、

・お客様に似合うピンポイントな色味はここでしか表現できない

・なるべくダメージさせずにカラーできるのはこれだけの知識があるから

・ペールトーンでもムラなく染められるのはこれだけの技術があるから

というのがこれからますます求められていくのかなと思ってます。

そして、「ここだけ」や「こんなに」というのはそのまま付加価値やブランディングに繋がり、

単価の高いメニュー作りやお客様の獲得に繋がっていきます。

低価格と高価格の二極化が進んでいく中で、どういった美容師を目指していくのか?

答えを出すタイミングにきてそうです。

ケミカル知識の教育やカラー知識の教育などは僕にお任せください!!

こういった教育はメーカーさん任せになってることが多いと思いますし、

意外とディーラーさんでも知識持ってる人少ないと思うので、

メーカー比較含めて基礎的な教育が必要であれば気軽に聞いてください!

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