近年よく言われるのが、
『美容室件数の増加』と『美容人口の減少』です。
美容室の件数はどんどん増えていってるけど、美容室に通う年代の人口はどんどん減っていく傾向にあるということですね。
ということは、単純に1店舗あたりのお客様の総客数が減ります。
それがわかっているので、どこのお店でも『単価UP』が課題となっています。
課題というか、単価を上げれないと今後生き残っていけないほど、取り組むべき問題です。
ただ、単純に値上げをすると既存のお客様が離れていってしまうかもしれない可能性もあるため、
多くのサロンさんでは
・プラスメニューを提案する
・店販を勧める
というようなことを行なっていると思います。
提供するものが増えるから、料金もその分高くなりますよ?
という提案ですね。
提案する側もされる側も特に違和感は感じないと思いますし、
決して間違った方法ではないです。
ただ、プラスメニューを勧めるためには新しい商材の導入が必要だったり、
店販を勧めるためにはある程度在庫のストックが必要だったり、
そして何よりも勧めるためには商品ごとの新しい知識や技術も必要になってきます。
結果、それらの在庫の負担が増えることで頑張って単価を上げても利益が残ってなかったり、
スタッフの負担が増えることでモチベーションの低下につながりサービスの質が低下する、
といった負のスパイラルに落ち込むサロンさんも多いと思います。
なので、今後スタイリストさんの給料アップに繋がる、無理のない形での単価アップの方法をお伝えします。
単価を上げる基準を社内だけでなくお客様とも共有する
まず一番肝心なのは
『どうなったら技術料金が上がるか?ということを全員で共有しておくこと』
です。
単価を上げる基準がなく、
単価を上げるタイミングをなんとなく決めている、
消費税が上がるタイミングでどさくさに紛れて上げている、
という場合は要注意です。
また、役職ごとに単価を変えているお店もあるかと思いますが、
店長の技術は具体的に他のスタイリストやマネージャーとどう違うのか?
という部分が曖昧なのでうまくいっていないお店も多いと思います。
例えばですが、1年単位で
・新規リピート率(4回目〜)70%以上
・紹介客比率30%以上
・平均客単価15000円以上
など、どれかをクリアするごとにカット料金やカラー料金を上げていく。
という風にしてお客様とも共有しておけば、
単価を上げても応援してもらいやすい環境を作れます。
特化した技術を発信する
ここからは具体的な方法ですが、
まず1つ目は『差別化につながる技術を身につける』という事です。
これは、何も物凄く特別なテクニックを習得するために何千時間も費やせということではなく、
例えば、
・職場で浮かないさりげハイトーンカラー とか、
・ハチ下にボリュームが出やすい方向けのポイントボリュームダウンパーマ とか、
・硬毛さんを軟毛さんに変える髪質改善トリートメント とか、
あくまで一例で参考になる事例じゃなくて申し訳ないですが。。。
できれば、
・透明感ある外国人風カラー とか、
・髪質改善トリートメント とか、
・酸性ストレート とか、
みたいに、幅が広くて抽象的なものではなくもっとピンポイントに絞ったメニューの方がいいです。
「とにかくこのゾーンに来たら絶対満足させますよ!」
と自信持って発信できるピンポイントな技術を発信するのが大事です。
なので、新しい技術を習得する前に一度
自信を持って発信できる技術はあるか?
どのメニューなら100%お客様を満足させれるか?
ということを考えるのが単価アップに繋がります。
特化した基礎知識を身につける
もう一つは『お客様よりも圧倒的に優位に立てる基礎知識を身につける』です。
最近はヘアカラーにしてもシャンプーにしても一般のお客様もかなり詳しくなっております。
中途半端に知ったかぶりで説明をしてしまうと、後でネットで調べられて信用を失いかねない時代ですし、
トレンド系の商品の知識だと新しい商品が出るたびに新しく知識を身につけないといけないです。
(新商品でも商品知識は学ばないといけないですが)
なので、
・基礎中の基礎の毛髪理論 とか、
・お客様に言葉で説明できるくらいのカット理論 とか、
・代表的な成分や反応の特徴まで細かく説明できるヘアケア理論 とか、
ある程度普遍的な基礎の情報であればどのお客様に対しても活用できますし、
基礎をきちんと説明してあげるだけで信頼度を一気に上げることができます。
たくさんではなくて、どれか1つの知識は何を聞かれてもちゃんと答えれるというのが重要です。
お客様も、ネットであれこれ調べはしますが、ネットに転がっている情報なので『本当に正しい情報なのかどうか』は半信半疑な状態です。
そういった不安な要素を言葉できちんと説明してあげることによって、単価が上げやすくなります。
例えば、
「ダメージ補修のトリートメントですよ」
だけよりも、
「髪の毛って元々80%がケラチンタンパク質でできているので、そのケラチンを特許の技術で補修していきますね」
という情報があった方がより価値を感じやすいですよね。
さらに深く聞かれたら成分の説明をしてあげれば、
この人はヘアケアに詳しい人なんだ!と信頼されるはずです。
もちろん、あまり詳しい情報はこちらから話すとうんちくばっかり語るうざいやつになってしまうので、
最低限の補足情報を伝えてあげて、興味がありそうだったら深掘りする。
という風に伝えてあげると喜んでもらえます。
きちんと基礎的な理論を言葉で説明できることで、
『なぜその人にこのメニューが必要か?』
ということをお伝えできますし、お客様も信頼できる人からこうやったら綺麗になりますよと説明してもらえらば不安も感じずに高単価なメニューを受けやすくなります。
特別扱いをする
これは新しく単価を上げるという取り組みではなくて、
今単価が既に高いお客様の満足度をどうやってさらに引き上げるか?
といった取り組みです。
単価が高いお客様の満足度を常に引き上げるという取り組みをしておかないと
すぐに頭打ち(最悪の場合失客)になります。
『お金をしっかり払ってくれてるお客様は特別扱いする』
という事も大切です。
ライブやコンサートなどにVIP席があるように、
普段から高単価なメニューをよくやってくれるお客様には
・セット面やシャンプー台を変えてあげる
・ドリンクを特別なものにしてあげる
・クロスの色を変える
・VIP客しかできないメニューを作る
など、いい意味での区別をしてあげると
VIPなお客様をよりVIPな固定客にすることができます。
新しく単価を上げることを考えることも大事ですが、
単価の高いお客様にはそれなりの『サービス』が必要です。
この辺りは高級なホテルなどのサービスをイメージするとわかりやすいと思います。
まとめ
以上、単価UPについてでした。
メーカーの立場からすると新しい商品をどんどん導入してお店を活性化してっていうのが理想的ではありますが、
時代の流れを考えるとそういったやり方よりも、1つを極める方がいいかと思います。
今後、高齢化だけでなく、所得の二極化もますます進みます。
お金を持っている人はより裕福に、
お金を持っていない人はより貧乏に、
僕たち会社員も笑えない時代です。
生き残るためには
お金が集まっているところからどうやってお金を引き出すか?
を真剣に考えないといけないです。