もう10年近く前になるでしょうか?
「水素が健康に良い」という触れ込みで巷のスーパーなどにたくさんの水素水が並んでました。
今でもネット検索するとたくさんの水素が出てきますが、
何年か前に水素水発生器などを販売していた会社が、
消費者庁から「人体に対する科学的な根拠はない」と措置命令を出されてます。
結果的に、今は水素水という商品はあれど、
商品パッケージに健康を謳ってる商品というのはなくなりました。
その後にはマツコデラックスさんのテレビで水素を使った髪質改善のメニューが取り上げられ、
美容業界においても水素ブームが起こります。
ただ、具体的に水素が髪の毛に対してどのような効果があるのか?
ということがあやふやだったため、一時期ブームは収束します。
ただ、トヨタ自動車が水素を使って車を走らせるということで発信を行っていたり、
各種メーカーさんの努力によって『より良い水素』が登場してきたこと、
さらには髪質改善ブームにも乗っかって、ここ最近ではまた水素ブームが起こり始めています。
水素を扱うメーカーさんもいくつか出てきてますが、
メーカーさんによって使い方も違うため、
・どの水素が良いのか?
・どう使うのが効果的なのか?
という部分に関してはまだまだみなさん手探り状態だと思います。
なので、フラットな目線で、なるべくわかりやすく水素の効果、使い方についてお伝えしていきます。
水素とは
水素の科学的な特徴
『水素(H)』は、「水の素」と書く通り、『水(H2O)』と『酸素( O )』を分解することで取り出すことができます。
逆を言えば、『お水(H2O)』は『水素(H)』と『酸素( O )』からできています。
水素は地球上で最も軽くて細かい物質で、自然界に大量に存在しています。
地球上で最も細かい物質のため、ビニールはもちろん、
プラスチックや鉄など、どんな物でもすり抜けてしまうので、
基本的には保存することが難しいです。
超分厚くしたアルミならある程度は保存が効くみたいですが、
必ず入口や出口があるため、結局はそこから揮発してなくなっていきます。
(炭酸の気が抜けるようなイメージ)
つまり、スーパーなどで販売されている水素水は、作った時には水素が含まれているかもしれないですが、
みなさんの手に渡る頃にはどれくらい残っているのかは疑問です。。
水素の美容以外での使い道
ここはあくまで余談なので簡単に書きますが、
地球上で一番軽いので、気球や飛行線を飛ばすためのガスとして使われたり、
電気をつけたり車を走らせたりするための電気燃料として使われたり、
テレビのディスプレイや宇宙ロケットの燃料や半導体など、様々な産業の分野で使われています。
また、水素は元々はお水から抽出されますし、参加した後もお水しか残らないため、
様々な分野で使っても有害なガスも出ず、
SDGsなど環境に対する取り組みも盛んになってきてる近年ますます注目を集めています。
ヘアケアにおいての水素とは
酸化を還元する効果
難しい書き方ですが、要は『活性酸素を除去する』という効果です。
活性酸素は「ヒドロキシルラジカル(フリーラジカル)」と呼ばれ、
元素記号は OH と書きます。
あくまで元素記号上の理論ではありますが、
活性酸素( OH )と 水素( H ) を足すと、『水( H2O )』になりますので、
カラーやパーマ、紫外線などで活性酸素が生まれている状態で水素をかけてあげれば、
害のないお水に変わってくれる(活性酸素が除去される)という事です。
もちろんキューティクルの隙間よりも細かい物質なので、
髪の毛の内側までしっかりと浸透して、髪の芯からキレイにしてくれます。
仕上がりのイメージは、ゴワつきが取れて自然でサラッサラフワフワな質感になります。
酸化を還元する以外の効果はない!!
上記に書いたように、活性酸素を除去する効果に関しては炭酸などよりも圧倒的な力を持っていますが、
実は活性酸素除去以外の効果は一切持っていません。
イメージ的には水素トリートメントをすると、
ダメージ補修されてツヤッツヤな仕上がりになると思われてるお客様も多いと思いますが、
ダメージを与える活性酸素は除去してくれますが、
ダメージしてスカスカになった髪の毛の内側を補修成分で満たしてくれるものではありません。
つまりは、水素はダメージ補修の効果は持っていないという事です!
もちろん、仕上げにアイロンで熱を与えれば熱と反応して髪がキレイになるという性質も持っていないので、
水素トリートメントのメニューで仕上げにアイロンをされている場合は、
水素以外の製品(成分)を熱に反応させている可能性が高いです。
ちなにみ熱に反応するトリートメント成分というのは、
どこのメーカーさんからも発売されてますし、なんならドラッグストアでも購入できます。
水素の効果的な使い方
いわゆるトリートメント効果は持っていないですが、
髪をダメージさせる余分な成分をリセットしてくれる効果が高いので、
水素を使用した後に内部補修系のシステムトリートメントを行うことで、
良い成分のみを毛髪内部に入れ込むことができて、仕上がりの質感を大幅に上げることができます。
また、活性酸素が発生するタイミングはやはり「カラー」や「パーマ」などのアルカリを使うメニューです。
ちなみにカラーやパーマで使用する過酸化水素(過水、オキシ)の元素記号は『H2O2』です。
水素( H )と酸素( O )を2つずつ持っているので、酸化させる力が強いということですね。
ただ、どうしてもアルカリを使うと大量のフリーラジカルが発生してしまいますので、
それらを水素でリセットしてあげることによって、カラーやパーマ後のダメージを防いでくれるという効果が期待できます。
白髪や抜け毛の予防にも!?
もちろん商品によりますが、
純粋な水素であれば髪の毛だけではなく頭皮・体全身に使用できます。
老化の現象は酸化が原因と言われていますので、
体の外からも中からも活性酸素を除去することによって理論的には老化現象を抑えることができます。
ただ、こちらに関してはまだ「人体にどれだけ効果があるかの科学的な根拠がない」ため、
信じるか信じないかはあなた次第です!
抜け毛に関しては酸化以外にも様々な影響が関与しているので一概に言えないですが、
白髪の発生に関しては、メラニン色素を作るための幹細胞が活性酸素によってダメージを受けることで働きが弱まって色素量が少なくなることが原因だと言われていますので、
水素によって活性酸素を除去することで白髪の発生を防ぐことは可能かもしれません。
もちろん1回では効果実感を得られないので、定期的に続ける必要はありますが。
水素メニュー例
カラーやパーマの処理剤として
上記にも書いた通り、カラーやパーマの前 or 後で使用することで
カラー、パーマなどで発生した活性酸素を除去しますというメニューです。
使い方はメーカーさんによって様々ですが、
基本的には水素はパウダーで販売されていることが多いですので、
・水素パウダーとブースター的な薬剤とお湯をアプリケーターでMIX →
清潔で濡れた髪の毛全体に満遍なくかける →
できればアルミ製のキャップで密封して10分放置 →
全体を流してお店のトリートメントで仕上げる
というカラーやパーマ+15分くらいのメニューになります。
コストがどうしてもかかってくるので、メニュー料金的には4000円〜5000円くらいが妥当かと思います。
トリートメントの効果UPメニューとして
これも上記で触れましたが、
髪の毛のゴワつきの原因となる余分なものを除去することで、
トリートメントがより浸透しやすい状態になり、
今お店にあるトリートメントの効果を大幅に引き上げることが可能になります。
もちろん髪をダメージさせる成分もリセットされてますので、
髪がダメージしにくくなり、トリートメントの持続効果も引き上げてくれます。
使い方は先ほどと同じで、システムトリートメントの前に水素メニューを行うというだけです。
メニュー時間もメニュー料金も先ほどと同じで、
+15分でトリートメント料金+4000円くらいで展開いただけます。
ヘッドスパメニューとして
こちらもイメージ通りですが、
白髪の予防も兼ねて、水素とお店にあるスパをMIXするメニューとなります。
水素メニューを行ってからスパメニューを行うことでスパの栄養成分をダイレクトに頭皮に届けられますので、
ヘッドスパの効果も高まります。
まとめ
水素に関してはまだまだキッパリと言いきれない部分も多く、
それが大手のメーカーさんが取り扱わない理由となっています。
ただ、美容ではなく産業の分野ではその効果は証明されており、
本当に様々な分野で活躍している成分です。
当たり前のように空気中にも存在している物質ですので、
変な成分を混ぜない限り、純粋な水素であれば体に害もなく非常に優秀な成分だと思います。
個人的には効果の実感もありますし、美容師さんの体にも優しい成分なので今後積極的に勧めていこうと思っています。
オススメの商品など気になる方がいらっしゃいましたらお気軽にDMください。
業界で一番水素発生量が多く、安心して使える水素をご紹介いたします!