美容業界で働くサラリーマンのちょっとためになる情報

美容室で『処理剤』が再注目されてる予感

美容室を訪問して話を聞いていると、

最近『処理剤』の話になることが多い気がします。

多いのは、

参加してるオンラインサロンで講師の人が処理剤使ってて気になってる

という話。

カラーが得意なサロンさんなどで処理剤を積極的に使うというケースが増えてきてるみたいです。

『処理剤』ってそもそも何?どんなもの?などなど、

気になってる方も多いと思うので、

『処理剤』についてまとめていきます。

『処理剤』とは?

まずはそもそもの『処理剤』の役割です。

主に使用するタイミングは3箇所で、

・前処理
・中間処理
・後処理

という形で使い分けられます。

前処理の目的

前処理で『処理剤』を使用する目的ですが、

2パターンありまして、

1つ目が

「ダメージした髪の毛を保護する」

という役割です。

カラーやパーマのアルカリなどの影響を受けにくくするための処理で、

主に高分子のPPTや保護としてのCMCなどが使われます。

2つ目は、

「薬剤の浸透を促進する」

という役割です。

アイロンなどの熱処理によって硬くなった髪の毛や、

カラー剤をはじいてしまうくらい硬くて撥水毛に対して、

弱い薬剤でもしっかり反応させるように薬剤の通り道を作ってあげます。

主にpHを高くするためのアルギニンや、角質を柔らかくする尿素、薬剤の通り道になるためのCMCなどが使われます。

正しく前処理を行うことで、よりダメージ少なく施術が行えます。

中間処理の目的

中間処理に関しては、パーマやストレートなどの2剤式のメニューの時に行います。

こちらも2パターンあります。

1つ目は、

「1剤の残留成分を除去して2剤の反応促進させる」

です。

「酸リンス」と呼ばれる工程がメジャーだと思いますが、

主にクエン酸やヘマチンなどが使われます。

パーマの2剤には

・ブロム酸
・過酸化水素水

の2種類ありますが、

・ブロム酸はpHが酸性の時に活発に活動する
・過酸化水素水はpHがアルカリ性の時に活発に活動する

という特徴がありますので、2剤になにを使うかで中間処理剤も使い分けます。

2つ目は、

「1剤と共に流れ出た栄養成分を補給する」

です。

パーマ、ストレートは1剤に含まれているアルカリによって

キューティクルを開く、ケラチンを分解する

という処理が行われています。

中間水栓のタイミングで1剤の成分を流しているタイミングというのは、

実は髪の毛の栄養成分が1番流出しやすいタイミングでもあります。

同時に、キューティクルも開いてて中身もスカスカになっているので、

1番栄養成分が浸透しやすいタイミングでもあります

このタイミングで効率良くケラチンを補うことでダメージ補修に繋がり、

スタイルの持続にもなりやすいです。

このように、

正しく中間処理を行うことで、残臭の除去やパーマの持続、ダメージの補修に繋がります。

後処理の目的

後処理に関しては、カラーやパーマが終わった最後のすすぎのタイミングで行われます。

目的は、

「ケミカル成分の残留をなくして後々のダメージを軽減させる」

です。

カラーやパーマに使われてるアルカリや過水、還元剤やブロム酸などはなかなかシャンプーだけでは取りきれないです。

それどころか、ケミカル成分が残留している状態で洗浄力の強いシャンプーなどでゴシゴシ洗うと、

それだけでダメージに繋がってしまいます。

なので後処理をして残留しているケミカル成分を除去しないといけないんですね。

カラーで言うところの「バッファー剤」です。
(最近はバッファー知らない美容師さんも多いみたいですが。。)

成分は中間処理と同じで、

主にクエン酸やキトサン、ヘマチンなどが使われます。

正しく後処理を行うことで、残臭の除去やカラーやパーマの持続、指通りやツヤに繋がります。

『処理剤』が使われていない理由

上記の説明だけ見ると処理剤ってかなり重要なものであることは間違いないと思います。

実際、10年以上前というのはどこのサロンさんでもある程度当たり前に処理剤は使われていました。

ただ、現在は処理剤をしっかり使っているというサロンさんは正直かなり少ないです。

なぜ少なくなってしまったのか?を僕なりに考えてみました。

薬剤の進化

まずは「薬剤の進化」です。

昔の薬剤に比べると、最近のカラー剤やパーマ剤は浸透力も上がってたり、

より少ないダメージや臭いで施術が行えるようになってます。

処理剤を使わなくても全然いい結果出るし必要ないよね。

というのが1つ目の理由です。

生産性に対する意識の変化

2つ目の理由は、「生産性」に対する意識です。

年々薬剤のコストや施術時間に対する意識が高まってきており、

時間もコストもかかる処理剤というのは、経営者目線で見ると真っ先に削りたい商材です。

さらに、お客様によって使用量も変わってくるためメニューとして料金を取りにくいですし、

スタッフごとの知識レベルを統一させるための教育にも時間もコストもかかってしまいます。

トリートメントメニューの進化

3つ目はトリートメント剤の進化とメニューの定着です。

昔はトリートメントというとコーティング系のものしかなかったので、

内部補修を行おうと思うと処理剤を駆使するしかなかったですし、

メニュー料金も2000円〜3000円程度がメインでした。

それが、今ではトリートメントの補修力というのもかなり上がってきてますし、

メニュー料金も4000円〜5000円になってきてるので、

処理剤を使うよりもトリートメントメニューを勧めた方が髪の毛綺麗にできるしお店も儲かるよね。

というのが3つ目の理由です。

『処理剤』が再注目されてる理由

処理剤が使われないというのにもちゃんとした理由がありましたが、

最近処理剤が再注目されてるのにもちゃんと理由があります。

ダメージの複雑化

1つ目はダメージの複雑化です。

ブリーチなどによる強アルカリのダメージ、

アイロンやコテによる熱によるダメージ、

さらには酸熱トリートメントや酸性ストレートなど、

以前にはなかったメニューなどが複合的に合わさって様々なダメージの仕方をしています。

さらに日本人の髪質自体も徐々に軟毛や細毛も増えてきているので、

単純なトリートメントメニューだけでは対応できず、

一人一人に合わせたパーソナライズなケアが必要になってきています。

他店との差別化

2つ目は差別化です。

最近ではどのメーカーさんの商品もクオリティが上がっていますし、

地域や取引ディーラーに関係なくどこからでも取りたい商品を扱えるようになっています。

剤のクオリティや扱う商品に差がなくなってきているので、

この薬剤を導入したからといって差別化にはなりません。

こうなってくると、カラー剤やパーマ剤、トリートメント剤以外のところで差をつける必要が出てきます。

そこで注目されてるのが『処理剤』なんだと思います。

技術に対する意識の変化

最後は技術に対する意識の変化です。

最近の美容業界は美容業界以外からの参入も多く、

技術者ではなくプロの経営者の方が展開する美容室も目立ってきてます。

ずっと美容の勉強してきた人が、ずっと経営の勉強してきた人に勝とうと思うと、

「経営の上手さ」ではなくて「技術の上手さ」で勝負するしかありません。

もちろん美容室を経営している限り最低限の経営の勉強も必要ですが、

「うまく経営する」という考え方よりも、

「本質的な美容の価値を提供したい」と考えてる美容師さんが増えてきてると思います。

・より自分が作りたいスタイルを作りやすくするため

・よりお客様に喜んで頂くため

こういったニーズを満たすための一つのツールとして『処理剤』を扱う美容師さんが増えてきています。

まとめ

どうでしょうか?

処理剤使ってみたいという美容師さんも多いんじゃないでしょうか?

今までは「手間がかかって大変だった」というデメリットが、

「お客様一人一人に合わせて手間をかけてあげられる」という価値に変わります。

特に、

アシスタントをたくさん雇ってアシスタントでお客さんをまわしていくというお店から、

マンツーマンだったりゆったり過ごせる空間を大事にしているお店がトレンドになってきてると思います。

パーソナライズされたデザイン提案のために、

処理剤を見直してみるのもアリだと思います。

オススメの処理剤

とはいっても、やはり処理剤は使うタイミングや使う量など、

ある程度の知識がないと使いこなしが難しいです。

そんな時はディーラーさんやメーカーさんに頼りましょう!

僕なら豊富なケミカル知識と商品知識でお店にあった効果的な処理剤をご提案できます!

気になる方はお気軽にDM下さい。

一応オススメの処理剤メーカーを載せておきます。

リトルサイエンティスト

ワクワクの種シリーズ。

美容業界のケミカルを牽引してきたメーカーさんの処理剤シリーズです。

ケミカル知識もちゃんと勉強したい方、

どうせやるならとことんこだわりたいという方には特にオススメです。

ワクワクの種

サンコール

フェルエシリーズ。

とりあえず処理剤始めてみたいという方、

まずはコストも抑えながら少しずつ取り組んでいきたいという方に特にオススメです。

モノもいいのに低コストなので意外に人気です。

ダメージレス&ダメージケア SUNCALL プロフェッショナル…

詳しく知りたい方は

odate@intense-z.com

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