美容業界で働くサラリーマンのちょっとためになる情報

美容室オーナー必見。人が辞めない(育つ)組織とは?

3月末から4月頭になると、インスタのストーリーで様々なサロンさんや会社の入社式の様子がUPされだしますね。

今年新しく社会人になる方々、おめでとうございます。

素敵な大人目指してたくさんいろんな経験積んでください。

さて、美容室においては入社式が終わって落ち着いたと思った5月6月には、

早速離職する人がポツポツ出てくると思います。

その時期に辞めていく人のほとんどは「人間関係」か「仕事が思ったよりもきつかった」という理由が多いと思いますが、

ほんとにその理由で辞めてますか?

なんで辞めたのかちゃんと把握できてますか?

新規集客でも、再来率10%の人に新規与えまくっても全然売上が積み上がっていかないように、

求人でも、なぜ辞めたのかがわからないまま人をとってもまたすぐ辞めるという状況からは抜け出せません。

なので、最近よく言われている『人が辞めない組織』にするためには何を気をつけないといけないのか?

本やネットで得た情報をまとめていきたいと思います。

今求められているのは『働きがい(やりがい)』

最近はどこの美容室でも福利厚生がある程度整ってきて、

給与面での差がつきにくくなってきました。

大阪市内だと、おそらく1年目の美容師さんの初任給は平均20万円くらい。

高いところだと22万円のところもちらほら見かけます。

もちろん社会保険も入ってるし、交通費も支給。

普通の会社の大卒とあんまり変わらないですよね。

逆に、これくらいしないと新卒が入ってくれないので、どこのお店も見栄えを良くするために必死です。

さらに、昔の美容業界のような「怒鳴られ、殴られ、蹴られ」というような場面はもう全く見かけないですし、

働く時間に関してもレッスン日を固定するなどしてなるべく労働時間を少なくしようとされてます。

働きやすい職場か?働きがいのある職場か?

上記のようなお店は、かなり「働きやすいお店」であることは間違いないと思います。

普通に働いていればそれなりのお金がもらえて、何年か経てばスタイリストデビューできて、

ある程度頑張ればまぁまぁお給料はもらえそう。

悪くはないですよね。

悪くはないはずなんですが、

人間というのは欲張りなもので、普通にしか働いていないにも関わらず、

今よりも良い環境で、今よりも良いお給料もらえる場所はないか?

と思うようになっていくんですね。

で、そのタイミングで知り合いの紹介などがあれば、すぐにお店を移ってしまう。

なぜこんなことが起こるかというと、「働きがい(やりがい)」を感じてないかららしいです。

「働きがい(やりがい)」というのは、主に【非金銭報酬】と呼ばれるものです。

【非金銭報酬】の反対は【金銭報酬】で、いわゆるお給料や福利厚生など直接的なお金です。

【非金銭報酬】というのは、

・やりがい
・仕事の面白さ、重要さ
・成長実感
・人間関係
・コミュニケーション
・組織風土
・経営理念

を表しており、この【非金銭報酬】を満たさずに、【金銭報酬】だけを頑張っても離職は減らないです。

働きがいを満たすには?

もちろんどのお店でもこの【非金銭報酬】は意識してるはずだと思います。

経営理念をバックルームに貼ってるし、ヘアショーなどに参加して刺激のあることをやらせてあげてるよと。

素晴らしい取り組みではあるのですが、それらが

日常的なコミュニケーションを通して、スタッフさん全員に浸透していないとあまり意味を持ちません。

ではどうすれば良いのかというと、代表的なのは『スターバックス』です。

私たちスターバックスは、
■人々の心を豊かで活力あるものにするために
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから、を企業のミッションに掲げ、
すべてのお客様へ最高のスターバックス体験を提供できるよう行動規範を定め、日々体現しています。
私たちはこれらを、Our Mission and Valuesとよんでいます。
こちらはスターバックスのホームページからの引用ですが、
「美味しいコーヒーを提供する」というのではなく、「コーヒーを通じて生まれる感動体験」をミッションに掲げてるんですね。
実際にそれを体現しているのが、
震災などで町に人が溢れかえった時に、「どうぞ店内で休んでいってください」とコーヒーを買わないお客様にも室内のイスを提供してあげたり、台風で電車も動けず外で寒そうにしている人にサービスでコーヒーを出してあげたりといった行動を、
幹部の許可なく現場レベルでスタッフさんが行えて、
さらにそれを会社も評価するという風土が整っているという点です。
実際にスターバックスでは、会社の理念に沿った素晴らしい行動をとった人には「サンクスカード」というものが送られたりもしてるみたいです。
このように、こういった行動が身近なスタッフだけでなく、会社全体として評価されることが、『働きがい』に通じているんですね。
美容室は、なんだかんだで「売上数字」で評価が決まってしまう業種だと思います。
もちろん、お客様を喜ばす行動をとっていれば、そのうち売上はついてくるものではありますが、
もしかしたら技術的な部分は苦手でなかなか売上に結びつかないかもしれません。
そんな中でも『経営理念に沿った行動』に対してはしっかりと目に見える形で評価が必要になります。

『働きがい』を満たすメリット

対お客様に限らず、社内においても「誰かの役にたつ」行動をとってくれたスタッフを認めるコミュニケーション(+評価)が浸透すると、

自ずと個人個人が考えて「誰かのために」という行動がとれるようになっていきます。

それが、「自主性」に繋がり、「仕事に誇りを持つ」という『働きがい』に進化していきます。

そうなってくると、お客様に対しても質の高いサービスを提供できるようになり、

売上(単価)も上がっていくという好循環が生まれ、

さらに、『この職場には自分の居場所がある』と思ってくれるので、

売上が上がって離職率が減っていくという流れです。

「働きやすい」という環境だけでは、スタッフの多くは「与えられた仕事をこなす」という受け身な姿勢になってしまいますが、

「働きがい」を感じられる職場では、誰かのために自分から動くという能動的な姿勢を持つスタッフが多くなります。

今の若い世代が働きたい職場とは?

上記のように、せひオーナー様方は「働きがい」のあるお店づくりに取り組んでみてください。

まずはお店の経営理念に沿った行動が具体的にどういう行動なのかを言葉にするところからですね。

最後に、

お土産に最近聞いた今の美容学生さんたちが働きたいと思っているサロンの条件をお伝えします。

・お店がオシャレ
都心にかなり店舗を構える多店舗展開されているサロン様。どこの店舗も発信しているスタイルや、給与面の条件は一緒なのに、なぜか1店舗だけに求人が集中したらしいのですが、学生に理由を聞くと「お店がオシャレだったから」らしいです。
本気で求人かけたかったらまずは店舗の改装に取り組んだ方がいいかもしれません。

・デビューまでの年数が短い
初任給から高い給料をもらうというよりも、早くデビューして早く稼げるようになりたいと思ってる人が多いみたいです。
おそらくフリーランスサロンさんの影響が大きいと思います。早くて1年後、遅くても2年後にはデビューというお店が増えてますね。

・スタイリストになったらどれくらい稼げるか?
よく求人に『売上300万円なら給料〇〇円!』みたいなことを書いてるお店がありますが、実際にそのお店の中にそれだけの売上をあげているスタイリストさんが何人いるのか?というところが大事です。昔みたいに売上1000万達成みたいな発表をする文化は無くなりましたが、意外と学生さんにはウケるかもしれません。

・発信力のある美容師がいる
これはほぼインスタグラムでの発信力です。業界で超有名な大御所美容師さんでも、インスタで上がってこなければ美容学生さんは知らないし関心も持ってません。ほんとに美容師なら絶対知ってるでしょ!!って人でも若い子は驚くほど知らないです。

 

少しでも参考になれば幸いです!

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