箕輪さんが編集されたとの事で注目を集めた本。
コミュニケーションを感覚ではなく、理論的に解読していくような内容で、誰でも組織づくりのヒントが学べる内容になってます。
THE TEAM全体の流れ
・A:Aim(目標設定)の法則
・B:Boarding(人員選定)の法則
・C:Communication(意思疎通)の法則
・D:Decision(意思決定)の法則
・E:Engagement(共感創造)の法則
という5つの法則を
・M:Method(法則)
・E:Episode(具体的事例)
・A:Action(チェックリスト)
・T:Theory(学術的背景)
の流れで説明してくれており、全部を読まなくても、それぞれが必要だと思っている章だけ読んでも完結できるようになってます。
美容室オーナーならA〜Eまで全部気になるところだとは思いますが、いきなり全ては難しいと思うので、個人的に「これなら自分でもできそうだな」と思ったところだけピックアップして簡単にまとめました。
目標設定の法則について
まずはいいチームの条件として挙げられていたのが、
目標を適切に設定する
ということでした。
目標についても、
具体的にどういった行動をすれば目標達成できるか?という『行動目標』
そしてどれだけの成果が必要なのかを具体的に示した『成果目標』
さらに、最終的にどういった状態になりたいのかということを示す『意義目標』
の3つの目標があり、この中でも今の時代に必要なのは『意義目標』で、
例えば、成果目標だけを追いかけると、「とにかく1個でも多く商品を売ってやろう!!」という考え方が先行して、味気のないチームになっていく可能性があるが、
「この商品でお客様を笑顔にしよう」「自分達で業界に新しい風を吹かそう」といった『意義』があれば、「お客様を喜ばすためにはこういった提案もしてみよう」とか、新しい発想が生まれやすいチーム作りができるというもの。
確かに、目標の数字だけ設定されて、
「こんだけ売上上げたらこんだけ給料やるわ」
みたいに言われても、今の子達はモチベーション上がらないですよね。
まぁそれがすごいパーセンテージの歩合であれば話は別ですが。。
なので、目標を決める時には、『数字』『それに必要な行動』『それによって得られる意義』をしっかりと共有するのが良さそうです。
相手のタイプを知る
これは非常に当たり前の話ですが、まずは相手のタイプを知るところから。
その人がどういった性格なのかをタイプ分けするために、わかりやすく4つのタイプに分類してくれてます。
それぞれに合った仕事を与える
それぞれに合った声の掛け方をする
ということが大事だと。当たり前ですね。
でも声の掛け方は意識してても、仕事を分けてるところは少ないんじゃないでしょうか?
ある程度その人の特性をわかっていながらも、周りのスタッフに気を使ったり、最低限これだけは売上上げないと他の仕事もやらさないぞみたいなお店(会社)は多いと思います。
その人の成長どころか、そのお店の成長すら止める行為なので、心当たりがあればすぐにこの本を読むべきだと思います!
タイプの分け方は『サッカー型』『野球型』『柔道型』『駅伝型』スポーツになぞられてて簡単に振り分けできそうだったので、お店の中で「材料チーム」とか「リクルートチーム」とかいろんなチームがあるのなら、スタッフをタイプ分けしてみるのも良さそうです。
今の時代にはゴッドファーザーよりもオーシャンズ11
昔は、カリスマ性のあるトップがいて、その人を慕う人達が集まることでコミュニティが形成されていたため、
意思決定は常にトップからのトップダウンでした。
ただ、最近では誰か1人のトップの存在というよりは、それぞれ専門性を持った11人が集まることによって、大きな難関をクリアしていくというオーシャンズ11のようなチームの方が多様性が求められる今の時代には合っているんじゃないか。
これは非常に共感できましたし、実際日本人の場合は、「ろくでなしブルース」を読んでいた世代と「ワンピース」を読んでいる世代で大きなギャップがあると思います。
ろくでなしブルースは、前田太尊という圧倒的なリーダーが存在して、太尊に対しては上級生も「前田さん」とさん付けで呼びますし、前田さんがやると言えばやるし、やらないと言えばやらないというトップダウンです。
ワンピースは皆さんご存知の通り、ルフィが船長というリーダーのポジションですが、航海士やコックや大工や狙撃手などの専門性を持ったスペシャリストと横並びの関係です。ルフィが行うのは、戦うべき相手とだけ戦って、船の行き先を決めることだけです。
ワンピースで育ってる人が圧倒的に多い今、求められるリーダー像はルフィのような存在ですね。
感情報酬
現代の人たちは、お金だけでは動かないです。
給料よりも休日。
職場での立場よりもプライベートの充実。
だからといってただ休みを増やせばいいということではなくて、
今の人は感情報酬が必要。
これは多分snsの流れでもある承認欲求に近いものだと思いますが、
「ちゃんと自分の仕事を認めてもらっているのか?」
といったことを、チームやリーダーの役割としてきちんと声かけしないといけないということですね。
会社は『個人』にお金を払っているわけではなく、その人に与えている『役割』に対してお金を払っていると考えると、
・忙しいから
・気分がよくないから
・あの子はあまり好きではないから
という理由で扱いを変えることはなくなると思います。
総評
基本的には当たり前のことを言ってるだけですが、その当たり前をきちんと言語化してくれているので非常に理解しやすいです。
ビジネス書というよりは「教科書」のような本。
組織づくりをしないといけない人や、リーダーの立場になる人は、
自分のチームにきちんと言葉で役割を伝えれないといけないので、
やはり組織づくりをしないといけないリーダーの立場の人は読んだ方がいいと思いました!!
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